現地レポ|岩手・青森3泊4日、心に残った出来事たち

AI

前回・前々回の記事では、旅の準備段階の話を書いてきました。今回はいよいよ、現地で実際に体験したことをレポートしたいと思います。

1日目:夜の地震と、浄土ヶ浜の早朝散策

初日の宿は、浄土ヶ浜パークホテル。1日の移動を終えてほっとしたのも束の間、夜になって地震がありました。実はこの1週間ほど前から、この地域では地震が頻発していて、少し警戒しながら過ごしていたところだったので、揺れを感じた瞬間はさすがに不安になりました。

そんな夜を越えた翌朝、早起きして浄土ヶ浜を散策しました。朝の澄んだ空気の中、白い岩肌と青い海が広がる景色はとても気持ちがよく、前夜の不安を忘れさせてくれるようなひとときでした。

2日目:あまちゃんの三陸鉄道と、鮫駅での「待ちぼうけ」

2日目は、朝から三陸鉄道に乗って久慈へ向かいました。これがとても楽しい時間でした。

出発前に宮古駅の観光案内所に立ち寄ったところ、三陸鉄道の手書きマップをいただきました。これがすごく役に立ちました。三陸鉄道といえば、NHKの朝ドラ「あまちゃん」で一躍人気になった路線で、車両の内外にはあまちゃんのイラストが描かれています。乗っている間、頭の中では、あの軽快なオープニングテーマがずっと流れていました。

いただいた手書きマップには、景観の見どころやあまちゃんゆかりのエピソードが紹介されていて、車窓を眺めながら読むのがまた楽しかったです。景色の良いポイントでは電車がゆっくり徐行してくれるので、写真も撮りやすく助かりました。トンネルもたくさんあって、通っては抜け、通っては抜け……。気づけば夫婦そろって子供のように椅子の上で膝立ちしながら、車窓を楽しんでいました。

そんな心弾む時間を過ごしたあと、久慈からJR八戸線に乗り継いで鮫駅に到着したのですが、ここで思いがけない「待ちぼうけ」の時間が待っていました。

もともとの計画では、鮫駅のコインロッカーに荷物を預けて身軽に動くつもりでした。ところが駅に着いてみると、まさかのコインロッカーが交換作業中。小雨も降っていたので歩いての散策は諦め、朝食をしっかり食べてお腹も空いていなかったので、当初予定していたkomeko食堂での昼食も見送り、荷物を持ったままタクシーで八戸市水産科学館マリエントへ直行することにしました。

マリエントでは入館料を払って有料スペースに入ったのですが、思ったより長く見られる展示は少なく、少し時間を持て余してしまいました。そこでダメもとで、「近くの蕪島まで歩いて行きたいので、荷物を預かってもらえませんか」とスタッフさんにお願いしてみたところ、快く引き受けてくださいました。

蕪島は、ウミネコに占領されたような圧巻の光景が広がる島でした。フンを落とされないよう、傘は必須です。すぐそばの人工ビーチでは、小雨の中、地元の女子高生4人組が海水浴をしていて、見ているこちらが寒くなるくらいでした。

歩いてマリエントに戻り、レストランで食事をする間も、荷物は引き続き預かってもらえました。ところがそこで鮫駅の時刻表を確認すると、本数がとても少ないことに気づき、「もっと早く切り上げて駅に戻るべきだった」と後悔することに。レストランも15時半で営業終了、他にお客さんもいなかったので長居も気が引けて、早めに店を出ることにしました。

鮫駅までのタクシーで、運転手さんに「1時間以上電車の待ち時間があるのですが、近くに観光できるところはありますか」と尋ねたところ、「鮫駅周辺にはもう何もないですよ」ときっぱり言われてしまいました。

結局、鮫駅でひたすら電車を待つことに。あまりに暇だったので、夫と交代で荷物番と周辺の散策をすることにしました。夫は近くのローソンを見に行ってすぐ戻ってきて、「何もなかった」の一言。私は線路沿いの道をひたすら歩いてみたのですが、歩いても歩いても誰にも会わず、だんだん不安になって駅に戻りました。

駅に戻ってからは、夫と並んで椅子に座り、それぞれ本を読んで過ごしました。私は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の続きを読み始めたのですが、なかなか集中できず途中で諦めてしまいました。

ふと、「もしこれが夫のいない一人旅だったら、この待ち時間はきっとすごく寂しかっただろうな」と思いました。予定外のハプニングも、思い通りにいかない待ち時間も、隣に誰かがいるだけでずいぶん違うものだと、しみじみ感じた出来事でした。

3日目:一番贅沢をした、蔦温泉旅館

3日目の宿は蔦温泉旅館。今回の旅で一番予算をかけた宿です。蔦温泉は、いわゆる温泉街ではなく、山あいにぽつんと一軒宿があるだけの秘湯でした。

到着してすぐ、ちょっとしたことに感動しました。玄関には普通サイズのスリッパが並んでいたのですが、宿の方が夫の足もとをさっと見て、すぐに大きいサイズのスリッパを出してくれたのです。夫はその気配りをとても喜んでいました。

部屋に案内されると、あまりにも静かで「もしかして他にお客さんがいないのでは」と思うほど。ところが1階のラウンジに行ってみると、湯上がりのお客さんたちが無料のビールを楽しみながら賑わっていて驚きました。値段が高いだけあって客層が落ち着いていて、大声で話す人がいないから静かに感じていただけだったようです。

夕食は大広間でしたが、衝立できちんと仕切られていて、テーブルごとに担当の方がついて、ちょうど良いタイミングで料理を運んできてくれました。中でも印象的だったのが鮎料理。切り株のようなものに串刺しの鮎が盛り付けられていて、見た目も味もとても良く、忘れられない一皿になりました。

翌朝、2階の部屋の窓から玄関のほうを見下ろすと、太った猫が行儀よくちょこんと座っていて、思わず笑ってしまいました。

4日目:熊鈴を鳴らしながら、蔦沼の朝

蔦温泉の近くには「蔦七沼」と呼ばれる沼めぐりのコースがあります。本当は七つの沼を全部歩いてみたかったのですが、この一帯は熊の生息地でもあるとのことで、宿の方に相談したところ、4日目の早朝に「蔦沼」だけを散策することにしました。

宿の方が、念のためにと熊よけスプレーを貸してくれました。聞けば、つい数日前にもこの近くで熊の目撃情報があったとのこと。少し緊張しながらも、熊鈴を鳴らしながら宿を出発し、ほどなくして蔦沼に到着しました。鳥のさえずりはあちこちから聞こえてくるのですが、双眼鏡を使ってもその姿はまったく見えず、森の奥深さを感じる朝でした。

道中には、この地を愛した詩人・大町桂月さんと、アントニオ猪木さんゆかりのお墓があり、立ち寄ってみました。静かな山の中で、いろいろな人がこの場所に惹かれてきたのだと感じる時間でした。

旅を終えて

岩手、青森と旅をして感じたのは、出会った地元の方々の温かさです。言葉数は多くなくても、どこか優しさが伝わってくる方が多い印象でした。十和田湖の雄大な自然も、忘れられない景色のひとつです。

地理や路線図がとにかく苦手な私が、AIと一緒に旅程を立てて、電車やバスをうまく乗り継ぎながら旅を終えられたことは、自分でも驚きでしたし、素直にうれしかったです。夫も、この手作りの旅をしっかり楽しんでくれました。

家族の協力、AIとの二人三脚、そして現地で出会った人や景色——いろいろなものに支えられた3泊4日でした。また次の旅も、こんなふうに準備から楽しんでいけたらと思います。

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